フォルスターフタマタクワガタを飼育してみたいけど、
- 飼育方法が分からない。
- どういった環境で飼育すべき?
- 成熟ってなに?
- 寿命はどれくらいなんだろう?
そんな疑問がある方の為に、私の飼育経験から具体的に解説します。
飼育に必要なものや成熟期間を理解して、そこに向けて準備をしましょう。
それまでに寿命を把握しておく必要があります。
これを読んでフォルスターフタマタクワガタの飼育方法を理解していきましょう。
フォルスターフタマタの飼育方法に必要なものは?
初めてクワガタを飼育するという方向けに、まずは何を準備するべきか?
これさえあれば、とりあえずは大丈夫!ってものです。
- 飼育ケース
- マット
- 霧吹き
- 転倒防止材
- 昆虫ゼリー
最低限準備するものはこれくらいで大丈夫ですね。
なくてもいいけど便利なので用意したいもの。
- ゼリースプリッター
これはゼリーを半分にカットできる道具です。
メスは頭が小さいので必要ないかもしれませんが、オスはゼリーの底の方まで舌が届きません。
半分にすることで最後まできれいに食べてくれます。
それに1つのゼリーを4日に1回交換するのと、1つのゼリーを2匹に与えて2日に1回交換するのではどちらがいいと思いますか?
常に新鮮なゼリーを与えられる後者ですよね?
飼育者側の手間は『2日に1回って交換頻度増えるやん!』と思われる方もいらっしゃるとは思いますが、そこは飼育者の優先順位にて参考程度にされてください。
飼育ケース
飼育ケースだけでも今では多くの種類があります。
その中でも害虫を予防・外に出ないように出来るケースを紹介します。
今回の害虫に該当する虫はコバエです!
コバエの大きさは1mm程度から3mm程度。
外から侵入して劣化したゼリーや腐食した木材、マットなどで繁殖します。
そこで今回は
- 空気穴がコバエよりも小さい
- 空気穴にメッシュが標準装備
そんなオススメ商品を紹介します。
クリアスライダー
- こちらの空気穴の大きさは0.2mmという極小穴。
- 0.2mmの通気口が98か所もある。
- スライダーという名前の通り横にスライドして開閉タイプ
①0.2mmではコバエも出入り出来ないので飼育スペースにコバエが蔓延みたいなことは防ぐ事ができます。
家族に嫌な顔されることもないですね。
②0.2mmというのは、クワガタのおしっこなどで穴が詰まる可能性もあるんですが、98か所もあるのであれば安心できるのではないでしょうか?
③横にスライドタイプになんのメリットが?
そう思います?
マットの量にもよりますが、クワガタ・カブトムシは上に押し上げる力は結構強いので、蓋を押し上げて脱走なんてことも日常茶飯事。
スライドタイプなので、下から押し上げて蓋が開くことはないので脱走の心配は一切なし。
さらに、クリアスライダーの魅力はそれだけでなく360°どこからも観察がしやすい。
1/3:2/3の位置に仕切りが設置できる。
これはちょうど真ん中ではなく少しズレて1/3なので、広い方にオス・狭い方にメスといった使い方ができて、1つのケースで2匹を管理できるのはメリットですね。
産卵セットや大型昆虫には『クリアスライダーラージ』もありますよ!
コバシャ(コバエシャッター)
クワガタ飼育者の間ではコバシャと略語で呼ばれてますので、コバシャで進めます。
コバシャの特長
- 何よりもコバエを防ぐために開発されたケースである
- 蓋が縦格子状ではないため、クワガタが顎で蓋を挟んで動けないようになることがない
- そもそも穴が塞がれている(穴の外側にメッシュ状の不織布が張ってある)
①いかにクワガタ飼育している人がコバエに悩んでいるか?
そこの改善を目標に作られたという安心感。
②100均等にも飼育ケースは売られていますが、緑や青の蓋のケースって縦格子上に通気するように作られています。
マットの量にもよるのですが、出ようとして蓋を顎でガチガチして顎が引っかかって身動きが取れなくなるクワガタもいます。
蓋は小さい穴が空いていうだけなので、顎が挟まるという危険性はないのです。
③プラスチック製の蓋には2mmの穴が多数あるのですが、その外側に(二重に)メッシュ素材のシートが付いてきます。
メッシュを通り抜けるコバエは存在しないため、侵入・放出・繁殖が防ぐことができます。
私個人のオススメですと、クリアスライダーですね。
2匹飼えるようにするセパレータは標準ですし(コバシャは追加注文)、何よりも大型種を飼育していないから、極力コンパクトにスペースを確保できます。
コバシャが悪いとは言ってないです。
ヘラクレスなんかはクリアスライダーでは狭すぎますし、飼育している種類に応じて選ばれるのが良いと思います。
どちらも乾燥は防止してくれますし、霧吹きの量も最低限で済みますのでオススメですよ。
100均の飼育ケース
だからと言って100均の飼育ケースはダメだと言っているわけではありません。
私も最初は100均のケース使ってました。
こちらは使い方次第で!というお話にはなりますが、
縦格子状の蓋の悪い所
- 通気が良すぎて乾燥する(頻繁に霧吹きが必要)
- クワガタの顎が縦格子に挟まる・引っかかる
- コバエが自由に出入りできる
これらを解消すれば十分使えます。
ただ1つ、これだけで全て解消させることが出来ます!!
なにを使えば良いか分かりますでしょうか?
正解は虫よけシートです!
私の始めたころは、近くのホームセンターで【マルカンの虫よけシート1番】というものを使っていました。
飼育ケースと蓋の間に挟み込むだけです。
あえて言うならケースのサイズに合わせてハサミで切るというくらいです。
『余ってるケースで』とか『そこまでお金かけたくない』という方にはオススメの方法です。
ただし、国産のカブトムシには使わないでください。
不織布状になっているため、羽を広げて飛んでカブトムシの腕のギザギザが、不織布に絡まって身動きがとれず死んでしまう事もあります。
クワガタだとマットの量にもよりますが、あまり飛翔しにくいのと、トゲトゲが少ない分カブトムシよりは事故が起きるケースは少ないです。
マット
必要な費用を落とせるところです。
正直言って木を粉砕したものであればなんでもいいです。
食べるわけじゃないですから。
私はホームセンターで売っているクヌギマットというものを使っています。
でも、これを使うと1週間~2週間くらいでの交換が必要になります。
そこで今回オススメするものは、針葉樹のペレットです。
まずは家族も喜ぶ、ダニ・コバエは出にくいというところ。
針葉樹を使っているので、においも気になりにくいです。
あとは交換頻度も1か月に1回程度で十分になります。
とにかく飼育者にとってメリットしかないのです!
ただし、新成虫には使わないでください。
自然界において、クワガタは針葉樹のそばで生活はしていませんし、ダニやコバエも寄り付かないくらいの「抗菌作用」があると感じています。
これは私の感覚なのですが、新成虫はまだ身体が弱いので、良くないと感じています。
蛹から成虫になってから2週間~1か月はクヌギのマットで管理する事をオススメ致します。
霧吹き
これもホントに何でも大丈夫です。
私は最初はアルコールスプレーの空になったものを濯いで使用してました。
現在は100均でペットボトルの蓋に取り付けできるタイプがあるのでそれを使っています。
やってると分かりますが、霧吹きを手動でやるのって意外と疲れるんです。
手が攣(つ)りそうになります。
100均のものは、空気入れみたいな所をシュッシュッっとやると、ペットボトル内に圧が掛かります。
上のボタンを押すと圧の力で水が出る仕組みになっています。
楽さでいうと、100均の方がオススメですね。
転倒防止材
そもそも転倒防止材とはなにか?
クワガタは木にしがみつく力は結構強いのですが、仰向けにひっくり返った時は、起き上がるのがすごく下手なんです。
そこで起き上がる時に爪が引っかかるようなものを置いてあげるのですが、これが転倒防止材になります。
転倒防止材がないと、いつまでもひっくり返ったままで、いつまでもジタバタして体力を消耗して寿命も短くなってしまいます。
ゼリーも食べられずに死んでしまいます。
そうならないように予め入れておいてあげましょう。
- 木片
- 樹皮
- ハスクチップ
- バークチップ
- 鉢底ネット
こういったものが主流になります。
この中でもオススメはバークチップ!
見た目もオシャレで手軽に使えます。
ハスクチップもオシャレ感はアップしますが、クワガタのおしっこを吸って匂いがキツくなることもあります。
昆虫ゼリー
これがないと!というのが昆虫ゼリーですね。
ゼリーも普段はホームセンターに売ってあるもので大丈夫。
もしも、産卵させようと思った時は、高たんぱく・高栄養なものをあげた方が良いですね。
あとホームセンターでの昆虫ゼリーって夏しか売ってないのがネック。
そういった事も含めて、普段から行きつけのクワガタショップを決めておくのもオススメです。
クワガタショップのゼリーは少し値段は高くなりますが、高品質なものが多いんです。
クワガタショップに行かれるんでしたら、もうひとつオススメの商品があります。
ゼリースプリッターです!
切れるゼリーのサイズは限られているのですが、文字通りゼリーを一瞬で半分にカットする事ができます。
- 1つあげたけどなかなか食べ終わらず、でも時間が経ってゼリーの色も悪くなって来たから交換する。
- オスはゼリーに頭突っ込んで食べられないから、いつも下の方に残っているゼリーがもったいない。
こういう悩みを持たれている方でしたら、必ずお役に立てる商品なので、検討してみてくださいね。
フォルスターフタマタの成熟期間はどれくらい?
飼育していく上で成熟期間っていうものを理解しておく必要があるのですが、少し難しい話になります。
ブリードする予定がない方は、すっ飛ばしてOKです。
成熟期間とはカラダが出来あがる期間
そもそも成熟期間ってなに?
そう思われる方もいらっしゃるとは思いますが、蛹から成虫の姿になることを【羽化うか】と言います。
クワガタは羽化してすぐはゼリーを食べたりはしません。
蛹ってほぼ体液で出来ているので、成虫になって直ぐは体を乾かしたり、余計な水分を排出して成虫の身体を作っていきます。
見た目は普通の成虫ですし、ほぼじ~っとしてますので、
『なにかしてあげたい!』
となるとは思いますが、そっと見守ってあげましょう。
気にするべきことは湿度のみで大丈夫です。
マットが乾燥してきたら、霧吹きでマットの表面がしっとりする程度霧吹きをしてあげましょう。
なぜ成熟期間を確認する必要があるのか?
成熟期間を終えてないところにゼリーをあげると死んでしまう事もあります。
体内の余計な水分を抜こうとしているところに、水分や糖分などを取り入れるのは危険なのです。
ペアリング(交尾)をさせる場合も成熟がかなり重要になってきます。
成熟が完了していない個体をペアリングしても種なしや、産んだ卵が無精卵となる可能性が上がってしまい、2か月後に再度ペアリングなどとなり、返って遅くなってしまいます。
ゼリーをあげるとき・ペアリングさせるときには、成熟しているかを必ず確認してあげて下さい。
成熟しているかを確認する方法
では成熟しているのか?
確認する方法はあるのか?
大丈夫、ちゃんとあります。
まず1つ目は飼育ケースのマットの上にクワガタがいますよね?
そのクワガタの上にふわっとティッシュを2枚ほど掛けます。
これだけです。
成熟前はじ~っとしていると言いましたが、ティッシュが翌日見たらボロボロになっているようでしたら、活動しているとみなします。
これは餌を探して活動しているので、ゼリーをあげて大丈夫です。
2つ目の成熟を確認する方法ですが、水もゼリーもあげない期間ですが、おしっこをします。
最初のおしっこは結構ドロドロな感じが多いです。
これを確認できたら成熟完了しているとみなして大丈夫です。
飼育ケースにその様なが汚れがないか確認しましょう。
フォルスターフタマタの飼育方法での寿命ってどれくらい?
クワガタのブリードをしていく上で、ベストなタイミングにベストを尽くす事でベストな結果が出やすくなります。
なぜか?
寿命があるからです。
飼育していく上で寿命を把握しておくことは最低限必要な事になります。
寿命は4ヶ月~1年とちょっと短いんです!
成熟期間についてお話しましたが、少し待つ時間が必要なんですね。
種類によっては成熟して間もなく寿命を迎えるクワガタもいます。
【成熟完了~寿命】この期間に産卵させたり出来るので、1番飼育者が手をかけるべき時期なんです。
フォルスターフタマタクワガタの寿命は【4ヶ月~1年】といった感じで個体差もあります。
ですから、成熟・寿命を把握しておかないといけないんですね。
寿命を把握した上で【いつ】【なにを】やるべきか?
今回はブリードする予定の方に向けてお話になります。
寿命は早ければ3ヶ月と言いましたが、これは結構時間がないって事なんです。
私のオススメは羽化後1.5ヶ月~2ヶ月過ぎたくらいで、プロゼリーを与え始めます。
そしてプロゼリーを5つ完食したかな?というタイミングでペアリングをさせます。
この後は1ヶ月程度は産卵セットに投入したままで産み続けてもらいます。
成熟期間で2ヶ月、産卵期間で1ヶ月、合わせて3ヶ月なんてあっという間ですので、それまでに準備を進めておきます。
寿命が短くて4ヶ月程度と言いましたが、全てが順調に行ったとしても2ヶ月しか産卵させることが出来ないのです。
産卵セットの組み方はこちら
寿命を迎えたクワガタはどうするべき?
亡くなったクワガタは、焼却します。
え?っと思われると思います。
埋めてあげたい!という方もいると思います。
しかし、フォルスターフタマタクワガタというのは日本のクワガタではないので、埋めた亡骸から海外の微生物などが発生して、日本の生態系に影響を及ぼす可能性があるとされています。
具体的な方法としては、段ボール・新聞紙・ティッシュなどに包んであげて庭で火葬。
面倒くさい方は、少し抵抗ある方もいるかとは思いますが、プリンカップにティッシュに包んで燃えるゴミとして出される方も意外と多いです。
とにかく大事に弔いたい!という方向けには昆虫火葬のサービスを行っているところもあるので、依頼する手間や金額を許容できるなら素晴らしい選択だと思います。
飼育途中で飼えなくなった時の飼育方法ってどうする?
飼育していく上で思い通りにならない事はよくあります。
- ブリード出来たのは良いが、思ってた以上に増えた
- 小さい幼虫だと飼育出来たけど、幼虫が大きくなると飼育スペースに限界が・・
こういった場合に、絶対にやってほしくない事があります。
飼えなくなっても放虫したらダメ!
放虫とは、飼育している虫を屋外に放つことです。
フォルスターフタマタは日本のクワガタではありません。
これを放虫してしまう事で、日本の森の生態系を崩す恐れがあります。
外来種による生態系破壊による代表格は【ブラックバス】ですね。
これに説明は不要かと思いますが、フォルスターフタマタクワガタを森に放つと、最終的には日本にフォルスターフタマタクワガタが入って来ることはなくなります。
それに伴い、今まではオオクワガタなど取れた森で外来種が樹液を占領して、日本からオオクワガタが居なくなるなんて可能性まで出てきます。
放虫により、日本の自然の摂理をあなたが壊してしまう恐れがあるのです。
絶対に海外の虫を放虫することはダメです!!!
増えすぎた虫の対応方法
- 近所の子供に分ける(外国産クワガタは放虫はしない約束のもと)
- ショップに引き取ってもらう
- ネットで売却する
①私は幼稚園に通う子供の友達にあげることは結構あります。
もちろん、外に逃げないようにしてね、飼えなくなったら持ってきてね。
そういう約束をしてからです。
今では子供の友達がうちに遊びに来てクワガタ見せて!という子もいます。
子供の輪を広げるのに、自分の飼育したクワガタがきっかけになるのは嬉しいものです。
②ショップに引き取ってもらう。
これは初心者には無理です。
累代・産地・混雑・購入元など、色んなものを明確にしないとショップも引き取れません。
お店に行きつけで、お店からこの人なら大丈夫!信頼がおけると認識されないと、まず取り合ってはくれません。
③収入も増やしたいな。という時はインターネット販売がオススメ!
ツールとしては、ヤフオク!ですね。
もちろんこちらで売る場合も、累代・産地などは明確にしておく必要があります。
しかしオークション形式でお客さんが値段を決めるので、明確にできていないと安価になるし、明確な上に累代・産地・サイズに魅力があれば高値になる時もあります。
初めてヤフオク出品するときは私も緊張しましたが、クワガタ飼育する上で使いこなせた方が良いツールなのは言うまでもないです。
ヤフオクでの出品方法はこちら
まとめ
フォルスターフタマタクワガタを初めて飼育される方への飼育方法や成熟・寿命について書きましたが、理解できましたでしょうか?
成熟や寿命の重要性。
いつなにをやるべきか?
これを覚えることでブリードは簡単になってきます。
今回は割と初心者向けに書いたつもりですので、読む人すべてがフォルスターフタマタクワガタの飼育方法を覚えてブリードを楽しんで頂ければ幸いです。